久しぶりに論文執筆. ここ数日, 利用している数値が変かもしれないということが頭を離れず, まずは利用数値のチェックから. チェックすべきは2つ. 拡散係数と注入率. 暗算した予想とは結果が違うことがこれらを原因とするのではなかろうかと思いつつ. (15:59)
TEX2IMを使って数式を挿入できるようにfdusを改造してみた. (18:11)
解像度その他, オプションを指定できるようにさらに改造. (18:29)
拡散係数, 注入率, ともに問題がないことを確認. う〜ん. 何が悪いのだろう. (17:06)
注入率を
として, 銀河に溜まっている宇宙線数は
で求められる. でもって,
=nV/T(密度×体積/時間)で与えられるので, 積分値が時間Tより大きくなれば, 密度は大きくなることになる. さらに, この時間は10Myrなので, 積分値が10にどれだけ近いかが勝負. この積分, つまり
を計算してみる. (18:37)
途中父親の迎えがあったりもしたが, とりあえずプロットさせてみた.

縦軸は積分値に1e12を乗じたもの, 横軸は赤方偏移. どうみたって積分値は10を超えてる... 謎は深まるばかりでございます. (21:38)
何を悩んでいたかといえば, 現在の銀河での数密度に比べ, 計算上の数密度が2桁以上小さいということ. 注入率が小さいからかと思ったが, そうではなかったことが判明. でも, その中で気がついた. 注入率
は銀河体積Vを必要とする. 注入率の数値を求める際には半径10kpc, 高さ1kpcの円柱として扱ったが, 結果を密度に直すときには, ビリアル半径Rの球としている. ビリアル半径は250kpc(体積2e72cm3)なので, このせいで半径10倍,高さ100倍,あわせて4桁分(数係数を考えればさらに1桁)下がることになる.
で. 解いているのは拡散方程式を簡略化したもの
であり, ソース項Q(t)に注入率が入っている. これは線型なので, 注入率を増減させる代わりに, 結果にファクターをかけてしまえばよい. というわけで, 規格化という一手間をかければよさそう. (18:28)
明日の速報のためにプレプリを印刷しておいたので, まずは選別. abstだけすべて要約してみようかと.
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Turbulent diffusion and drift in galactic magnetic fields and the explanation of the knee in the cosmic ray spectrum
宇宙線スペクトルのニー(肘)の変化の理由が, 宇宙線散逸機構の変化, つまり横方向拡散 transverse diffusion からドリフト drifts への変化として説明できることを示す. 現実的な銀河磁場モデルと強く乱れた(Kolmogorovスペクトルをもつ)拡散係数を入れて拡散方程式を解いた. これらの効果を適切に取り入れると, ニーの構造が説明でき, ニー領域で重元素への移行が予言される.
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Has the GZK cutoff been discovered?
Fly's Eye, HiRes, Yakutsk 宇宙線実験の観測データを組み合わせることで, 統計的に有意(7σ)に GZK カットオフが観測的に見えていることを示す. しかし, トップダウンモデルは AGASA のデータと無矛盾である. トップダウンモデルとその他のモデルの違いを調べるには, より高精度の観測が1018-5×1019GeV領域で必要となる.
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Vacuum polarization energy losses of high energy cosmic rays
高エネルギー宇宙線が銀河間空間を伝播する際の真空偏極によるエネルギー損失を考える. この過程は運動する荷電粒子によるCBRの偏極によるものである. この過程を詳細に記述するため, 光子質量, 屈折率, および誘電率を導く. 計算により伝播する陽子に対して目立った効果を及ぼすことが分かった. この偏極による損失の効果について議論する.
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Images of very high energy cosmic ray sources in the Galaxy
I. A source towards the Galactic Centre
(AGASA と SUGAR による)最近の1018GeVの宇宙線の異方性の解析により, 銀河中心と白鳥座に有意な超過がみられる. このような異方性が単一のソースからもたらされるかどうかをチェックする. 2つの銀河磁場モデルに対し, 銀河中心にある短命な単一ソースにより注入された陽子の伝播を調べる. 現在のイメージとは違い, 一様磁場により実際のソースの方向とは大きな角度距離をもつ遅れたイメージができることを示す. イメージは粒子注入からの経過時間に強く依存し, エネルギーにも敏感である. 若いパルサーによる粒子注入にとって好ましい条件を考えると, 予言されるフラックスは観測されたものより2-4桁大きくなる. その数は採用した銀河磁場モデルに強く依存するが, 銀河中心にある単一のパルサーが観測される超過の原因であるようにみえる.
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Plasma Wakefield Acceleration for Ultra High Energy Cosmic Rays
試験粒子の単位距離あたりのエネルギーゲインがローレンツ不変であるような, 相対論的に流れているプラズマでのAlfven衝撃波により誘起される航跡場による加速機構を調べる. 加速粒子が無衝突となりプラズマ中でエネルギーを損失しなくなるような透明度の閾値条件が存在することを示す. ランダムな加速-減速フェーズとの確率的な遭遇によりべき則スペクトルとなる:
. このようなプラズマ航跡場加速に適した環境は宇宙にありふれている. 例として, 超GZK超高エネルギー宇宙線(UHECR)がこの機構によりGRB大気で生成されることを示す. 加速勾配はG〜1016eV/cmとなる. 期待される生成率はUHECRの観測と一致する.
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Ultrahigh energy cosmic rays from dark matter annihilation
クランプした超重ダークマターの消滅によりUHECRの起源が説明できる. 予言される異方性によりこのシナリオを検証できる.