2004-08-30 Mon
* [book]
アースシーの風 <ル=グウィン> (評価: ★★★☆☆)
ゲド戦記V. ゲドは有名ではあるのにまだ読んだことがなかったので, 引
越し前に全巻セットを購入していたのでした. 版が大きいのに, 何故かな
かなか進まない. それにしても, これはリアルタイムで読んでいた人はヤ
キモキしたでしょうなぁ. これだけ間隔が開いてしまったのでは, 内容を
忘れますから.
今回は前巻で出てきたテハヌーの正体とアースシー世界の顛末が語られる,
ということらしい. でも, これ, 対象学年である小学生の頃に読んでいた
ら, 間違いなく投げ出しておりましたな. 内容は決して面白くないわけで
はないけれど, ストーリーテリングに関してはちょっと... という気が.
でも, 逆に小学校のころはこれくらいの文章のほうがいいのかしらん?
[08/30 22:58:51]
2004-08-30 Mon
* [book]
凶悪 <B.ブロンジーニ> (評価: ★★★★☆)
名なし探偵シリーズ, らしい. なんかあちこちの出版社にたらい廻しにさ
れているっぽいけれど, このまま講談社が(遡った分まで)全部出してくれ
ないかなぁ. 出たら買うけど.
内容的には, スペンサーシリーズbyパーカーのように, 徐々に私的な状況
が進展しつつ事件に対処する, という感じ. まぁ, ハードボイルドの王道
ですな. 以前の伏線・展開が分からないので, そこらへんはイマイチでは
あるのですが. 主人公が60歳近くというのが変わっていますな. 精神的な
トラウマを抱えてる経緯が分からないのはちょっと感情移入を妨げる要素
になっておりました.
[08/30 22:51:10]
2004-05-11 Tue
* [book]
ザ・ゴール <エリヤフ・ゴールドラット> (評価: ★★★★★)
読了後すぐに続編をbk1に発注してしまいました. 著者は元物理屋さんら
しい. 経営学の新しい見方, ということになるのだろうか. 「企業は金を
儲けるのが目的」であること, そして「目的に適った方法をとること」が
全体を通しての主張. そのための着眼点として「制約条件(constraint)」
のコントロールが重要である, というパラダイムを出すわけですが, 最終
的な内容はカンバン方式とさほど変わりません. 思想性の違いが明確でな
い場合には, 何を今さら, という感じになるように思います. まぁ, 畑違
いですので, とても面白く読めました.
[05/11 01:41:35]
2004-05-09 Sun
* [book]
八月の博物館 <瀬名秀明> (評価: ★★☆☆☆)
去年の夏, 学会のときに筑波にて購入. その後30ページほど読んだ後放置
しておりました. 内容としては, 一言でいえばメタな小説. 紀元前および
19世紀のエジプトでのお話, そのエジプトとリンクした, 70年代日本に住
む少年が博物館に入りびたる話, そしてその少年が成人した, 物語の語り
手たる筆者のお話.
意欲は買いますが, まず基本的にメタな話って興醒めなんですよね. 専業
作家に至る著者の心の動きが反映されているかのような挿話の据わりもあ
まりよくないように思うし. なんか視点がブレてて, エンターテイメント
としてはちょっと不快. 前半と後半のテンポがあまりにも違う点もマイナ
スなように思います. 仮想現実(VR)の話もネタとしては中途半端だし...
意欲が空回りしている, というのがトータルの感想, かな.
[05/09 23:38:05]
2004-04-30 Fri
* [book]
膚の下 <神林長平> (評価: ★★★★★)
bk1で注文したら, とんでもなく厚いものが来てびっくり. でも, 読んで
納得. 「あなたの魂に安らぎあれ」「帝王の殻」に続く火星三部作の最終
話. 読み終わったらあな魂を再読したくなりました.
人造人間(アートルーパー)として造られた慧慈. 月戦争により荒廃した地
球を再生させるため, 人間は冷凍睡眠処理された上で火星へ. 250年後に
自然環境が再生された地球に戻ってくる計画のため, 地球の管理者たるべ
く造られた存在であるアートルーパーが自意識の目醒めと葛藤の末, 人類
とは別種の生き物として自立する... って感じのストーリーですかね. 帝
王の殻に出てくるアミシャダイがどういう経緯で火星に行くことになった
のか, という謎解きなんかも入っていて, いやぁ, よくできてると思いま
す. 物語としても, 思索的な面でも(まぁ, ハードSFですから).
[04/30 18:04:56]
2004-04-06 Tue
* [book]
アガメムノーン <アイスキュロス> (評価: ★★★☆☆)
ただいまイリアスを読んでる最中でございまして. 何が困るって, なんで
トロイ戦争が勃発したのかがさっぱり. ヘレネが何故奪われたのか(たぶ
ん闘って戦利品もどきでもってかれたのかなぁ...と推察はするんですが),
たかが女一人のために, 10年も戦争するのは何故なのか(長年にわたる遺
恨があったのかなぁ...). 謎が謎を呼んでいたので, アルゴス王アガメム
ノンの物語を読んでみようかと思って, 急遽bk1に発注した次第... とこ
ろが. これってトロイ戦争に勝って帰ってくるとき/きてからの物語だっ
たのですね. 悲劇ではあるのですが, それにしても情報が少ない. まぁ,
確かに有名な物語なので, 情報を与えるよりは物語の脚色に集中するとい
うのは分からないでもないのですが... たぶんオデュッセイアを読めば補
完されるかなぁ, と期待しております.
[04/06 22:38:01]
2004-02-07 Sat
* [book]
裏切りの予言(魔道士の掟3) <テリー・グッドカインド> (評価: ★★★★★)
ディーナにより調教され, いよいよラールのもとへと連れてゆかれ, 今ま
で隠していた<数えられし影の書>の"所有者"であることがバレてしまう.
ラールは内容を話すように強制するが, そこで突然今まで隠していた自我
が覚醒. ところが身内に裏切者がいたため, 実はラールの手に最後の<箱>
が渡りつつあることを知らされる. 取引の期間として1週間の猶予を与え
られる. その過程で剣の魔法の"別の端"を引き出すことに成功したリチャー
ドは, その魔法によりディーナを斃す. 裏切りを確認するために仲間の元
へと向かうリチャード. 途中, レッドドラゴンに助力を求める. 見返りと
して彼女の卵をラールの手から取り返すことになる. 無事卵を取り返した
リチャードはスカーレット(ドラゴン)に運んでもらい仲間に合流する. し
かしラールにかけられた魔法により, 彼の姿は仲間にはラールに誤認され
てしまう. そのため仲間から攻撃されるリチャード. この光景こそがショー
タの予言したものだった. 辛くも逃れたリチャードは, 仲間の後方にいる
兄マイケルの元へ. そこで実兄こそが裏切り者だったことが分かる. 失意
のうちに再びラールの元へ. 本の内容をラールに引き渡すことを決意した
リチャードのもとへカーラン, ゼッド, チェイスが辿りつく. カーランは
リチャードに魔法をかける(彼女にはラールに見えていた). そこへ本物の
ラールが登場. ラールに本の内容を語るリチャード. ところがリチャード
にはカーランの魔法が通じていなかったため, 最後の最後で誤った箱を選
んでしまうラール. こうして無事世界が救われる...
という感じ. いやぁ, あのカタルシス状態からよくここまでもち返したも
のです. カーランとの関係も無事収まって, まさに大団円. うまく作るも
のですねぇ. ということで, 続編である魔石の伝説も既にbk1に発注済み.
これも一気に読んでしまいそうな予感.
[02/07 03:49:14] [ISBN:4150203032]
2004-02-07 Sat
* [book]
結ばれぬ宿命(魔道士の掟4) <テリー・グッドカインド> (評価: ★★★★★)
自分が聴罪師であることをリチャードに告白したカーラン. "結ばれぬ宿
命"であることに苦しむ二人. そんな苦悩とは関係なく箱の探究の期限が
迫る. 途中でゼッドとようやく合流できたリチャードは, クィーン・ミレ
ナのもとへ向かう. 城ではカーランが聴罪師としての立場を利用して箱の
行方を探るが, そこには箱はすでになく, ギラーも惨殺されていたことが
分かる. 失意のうちに城を去ったところでチェイスが合流. 彼がレイチェ
ルを保護していたことにより話が急転. 箱を発見したことでラールの野望
を阻止できることを喜んでいたが, 箱を運送する途中, 実はリチャードに
魔法がかけられていたことが判明. リチャードは魔法を打破すべく単身施
術者である画家のもとへと向かう. 画家との対決に勝利したのも束の間,
今度はモルド・シスであるディーナに捕縛され, アジエルによる調教をう
けてしまう...
箱が見つかったので, ようやく対決かと思ったら, 何か拷問されて人格が
破壊されちゃってるんですけど, これでどうオチをつけるつもりなんでしょ
うか. あと1冊で結着がつくらしいんですが, 何か展開のスピードを考え
ると, とても無理っぽい.
[02/07 03:38:25] [ISBN:4150203016]
2004-02-07 Sat
* [book]
裏切りの予言(魔道士の掟3) <テリー・グッドカインド> (評価: ★★★★★)
よく考えたら粗筋を全然書いてなかったので, Vol1, 2の粗筋を.
1巻
森の案内人であるリチャードは父を亡くし, 部屋に残された蔦の在処を求
めて森を彷徨う. 無事探していた蔦を見付け出すが, その蔦により傷を負
う. その帰り, 森の中を<四人組>に追われているカーランに出逢う. リ
チャードはカーランと協力し, <四人組>を排除することに成功する. 魔道
士を探しているカーランに協力するため, 彼女とともに友人のゼッドの元
へと向かう. そこで傷が悪化し, リチャードが倒れてしまう. そこでゼッ
ドが探していた魔道士であることが分かり, リチャードが<真実の探究者>
に任命される. 探究者としてダークン・ラールを倒すことになるリチャー
ド. ラールが<オーデンの箱>を揃え, それを開くことを阻止することで世
界を救う, という任務を負う. まず彼の最初の任務は無事<境>を越える道
を探し出すこと. そこで<境番>のチェイスの助力を得て境を越えることに
なる...
2巻
<境>越えの途中, ハートハウンドの襲撃によりゼッドとチェイスが意識不
明となる. 彼らを運んでエイディの元へ向かう. 無事エイディの家まで辿
りつき, 彼女が呪術師であることが分かる. エイディにゼッドとチェイス
の介抱を任せ, <境>を越えるため<狭路>に向かう. "夜の石"により一旦カー
ランと別れ別れになってしまうが, 再び合流. やがて無事<境>を越えて,
ラールより先に<箱>を手に入れるための情報を得るため, <泥の民>に協力
を仰ぐことになる...
ということで, 第3巻の内容は:
3巻
<泥の民>との結着がつき, 無事霊を呼び出す儀式を執り行うことになる.
霊から第3の<箱>の持主を知る人間がショータであることを教えてもらっ
たリチャードは, ショータのもとへと向かう. そこでショータは"裏切り
の予言"をする. カーランとゼッドがともにリチャードを殺そうとする,
それを阻止するために今ここで殺すのがよい, というショータからの提案
を拒否するリチャード. 結局最後の<箱>の所有者がクィーン・ミレナであ
ることを聞き, 移動を開始する.
一方, クィーン・ミレナの元にあった箱は, 魔道士ギラーに託されたレイ
チェルにより隠蔽され運ばれることになる...
カーランとリチャードの微妙な距離感が何とも. いや, 作者, Sっ気が強
い感じ. いぢめられる主人公. じらし具合とイベントの起こし具合が上手
いです.
[02/07 03:30:54] [ISBN:4150202990]
2004-02-07 Sat
* [book]
バイトでウィザード--流れよ光, と魔女は言った <椎野美由貴> (評価: ★★★★☆)
豊花の飛び具合, ひっかき廻し具合があと少し, という感じではあります
が, ストーリー構成はまずまず. ということで, とりあえずbk1にて続編
を購入. おそらく明日届くと思われるのですが, 2冊目だけ取り寄せになっ
てたような.
日本全国に張り巡らされた「光流脈」に生じる澱みを除去するという役目
をもった高校生の双子の兄妹, という設定. 我儘な妹に振り回される, 無
感動な主人公. 中学時代に彼女を喪失したトラウマのために無感動になっ
たのだが, 一度死んで甦生する過程においてトラウマを乗り越えていく,
という感じでしょうかね. まぁ, 所詮ラノベなので軽いタッチではあるの
ですが.
[02/07 03:02:18]